中毒性のある「過度な運動」は老化を促進
生活習慣病の予防や自律神経を整えるなど、健康維持のためには適度な運動をしましょう、というのが常識のようにいわれています。
もちろん、適度に体を動かすこと、適度なストレスは老化予防につながるのですが、あくまでも程度の問題だということです。
アスリート並みの激しい運動を自らに課すような、厳しいトレーニングは逆に老化を早めますので気をつけましょう。その意味では、ストイックにマラソンやジム通いなどを日課にしている人は注意したほうがいいでしょう。
ほとんどの方が自分に合った「適度」な運動をこなしていると思いますが、ああいった運動を日課にすることで、強迫観念に迫られてしまう人もいるからです。
一日走らないだけで罪悪感を覚えたり、一日でもやめると筋力が落ちてしまうのではないかと不安になってしまったり。運動には一種の中毒性もあるんですね。
ずっと頑張って走り続けて苦しくなってくると、ランナーズハイというか、脳内麻薬がてくる。そうした感覚に中毒性があって、そこに快感を覚えるのが「ジョギング病」とでも呼ぶべきものです。
東京オリンピックでも世界中のアスリートたちの素晴らしい活躍をたくさん目にしました。日々の厳しい鍛錬の賜物だと思います。しかし、技能的には上達しても、過度の有酸素運動は、老化という観点から見れば、実はマイナス方向にしか働いていません。
一方、筋トレはいわゆる無酸素運動に当たりますので、それ自体は活性酸素を生み出す運動にはなりません。しかし、過度に筋肉を鍛えすぎると、酸素の消費量が一気に増えてしまいますので、有酸素運動のやりすぎと同じことになってしまいます。
適度な筋肉量をつけておくのは個体にとって大切なことですが、やはり適量というものはあります。適量をはるかにオーバーするような筋肉量をつけてしまうと、酸素消費がそれだけ増えてしまい、老化が進んでしまいます。