泣いたり笑ったり、さまざまな表情の裏に、感情を隠して日常を送る私たち。「空気を読むを科学する研究所」代表取締役の清水建二さんによると、アメリカでは要人警護を担当する警察官や空港職員ら向けに、表情を瞬時に検知し、危険人物を特定するプログラムが実施されているそうです。清水さんは「表情の読みとりスキルを生かして仕事を成功させ、プライベートも充実させた方を何人も見てきた。例題を通じてその価値を体感してほしい」と言いますが――。
表情は生まれながらにして持つコミュニケーションのシグナル
表情は、私たちが生まれながらにして持っているコミュニケーションのシグナルであり、文化や民族、性別、年齢、時代、さらには生まれつき目の見えない方を問わず、私たちの顔に表れることがわかっています。
この、無意識に表れるサインやコミュニケーションのシグナルを見逃さなければ、瞬時に相手の感情を読みとることができます。
0.5秒だけ人の顔に表れる無意識の表情である「微表情」を読む技術を手に入れれば、迫りくる物理的な危険から身を守ったり、ウソを推測したり、心の病の兆候を察したり、交渉相手の真意に気づいたり、会話の流れを掴んだりすることが出来るようになるでしょう。微表情を読みとるスキルは、今までにない全く新しいコミュニケーションの技術です。
微表情を読みとるスキルだけでも強力なコミュニケーションツールとなりますが、著書『裏切り者は顔に出る』では微表情に加え、ジェスチャー、会話パターンについても説明しました。
微表情を読みとるスキルに、ジェスチャー、会話パターンを使いこなすスキルを組み合わせることで、コミュニケーション相手の感情の綾や繊細な心理をより深く、正確に理解することが出来るようになるのです。
そこで今回、同書から例題を3つ出題したいと思います。