「衰えないためになんでも自分でやった母。そうこうしているうちに、なんと要介護1にまで回復。いやぁ、母の自立心の強さには脱帽します」(写真提供:日テレ7)

日課は炊事と洗濯。「要介護1」まで回復

最近の母は、ご飯を炊くのと味噌汁を作るのは自分でしています。食事に関しては、当初週に4回くらい配食サービスをお願いしていたのですが、「飽きる」と言って自分で電話してキャンセルしてしまいました。

食べたいものを食べたいという気持ちも元気の秘訣でしょうね。母は、ヘルパーさんに同行してもらってスーパーで買い物をし、自分が食べたいおかずをヘルパーさんに作ってもらっています。味にはうるさくて、最初、インスタント味噌汁が簡単だよとすすめたときは口に合わず抵抗があったようですが、おいしそうなものを選んだら「うん、これならいい」と、無事合格。

もともと母自身、仕事が忙しかったこともあって「使えるものは親でも使う」主義(笑)。昔、祖父にも「おじいちゃん、私が出かけている間に、布団干しておいて」などと指示していました。

でもそれは、自分がラクをしたいからだけではなかった。というのも祖父がちょっと認知症になり始めた頃、母は「ボケ始めたから、仕事をさせたほうがいい」と。やるべき役目があり、頭も使って忙しくしていると症状が進まないという確信があったようです。だから「おじいちゃん、庭を掃いとかれよ」とか、簡単な家事を探してはいろいろ頼んでいました。

もともとそういう考えのある母ですから、衰えないためにはなんでも自分でやったほうがいいと思っているのでしょう。洗濯物を干したり取り込んだりするのは、足元が危ないからやめてほしいのに、「自分でやる」と言い張る。まぁ、止めても聞くような人ではないので(笑)、任せるしかありませんでした。

そうこうしているうちに、なんと要介護1にまで回復。いやぁ、母の自立心の強さには脱帽します。

母は、子どもたちにお茶を教えるのは90歳を境に卒業しましたが、謡は楽しんでいます。以前は稽古のついでにお仲間とのおしゃべりを楽しんでいたようですが、いまはコロナの影響で集まるのは中止。でも稽古しないと謡曲をどんどん忘れてしまうからと、週1日は「謡の日」と決めて、ひとりで練習しているようです。