【2】施設に移っても、入居者の生活費は必要

第二の理由は、生活費です。 

入居者は生活の場が自宅から施設に移るだけで、生活することに何ら変わりはありません。よほど認知度や介護度が進行すれば話は別ですが、携帯も使うし、冠婚葬祭もある。お小遣いでおやつを買ったり、肌着や新しい衣服を買ったり、サプリや育毛剤、化粧品を買ったりしています。

民間の保険に継続加入して保険料を支払っているなら、保険料免除に該当しない限り、保険料も支払うことになります。

さらに、自宅を処分していない方は、固定資産税や光熱費、庭があれば植木の剪定費用もかかります。雪国であれば除雪の費用も計上することを忘れてはいけません。自宅で生活しているときより、出費が増えるのが現実です。

こうして考えると、施設関連+生活費に計上しなければならない予備費は、余裕をみて年間で100万円程度をプラスすると考えてもいいのではないでしょうか?

「施設利用料」以外の費用とは?
 

施設利用料以外に、どんな費用がかかるのでしょう。

たとえば光熱費です。別メーターになっている施設と、月額料金に含まれている施設があります。光熱費の支払いがどうなっているのかは必ず確認しておきましょう。

また、健康保険料や介護保険料、オムツ代や薬代を含めた医療費、杖や車椅子を福祉用具業者から借りている場合も、別途、自費となります。細かいことですが、シャンプー、ボディソープ、トイレットペーパーも施設が用意してくれるものを使う代わりに、請求される場合もあります。

ほかにも理美容は施設に美容師さんなどが出張に来て、安価でやってくれるケースもありますが、施設外の馴染みの美容室の利用をOKとしている施設もあります。この場合、料金は別途となります。

さらに、自由参加ですが、外出のイベントが活発な施設もあります。お花見や紅葉見物といった季節毎のイベントは入居者にとっては気分転換になるため、人気が高いものです。ランチにレストランで食事を楽しむイベントなどを実施する施設もありますが、それらはもちろん自費。施設内の食事でも特別メニュー食を希望者に提供する施設もあります。イベントや特別食などが計画されているか、その料金はおおよそいくらかも聞いておきたいものです。

【表】施設に確認するポイント