負けても悔しそうな顔をしない
そして今場所の注目は、「新」(シン)のつく力士たちだ。
新大関の御嶽海をはじめ新関脇の若隆景と阿炎、新小結の豊昇龍、新入幕の前頭16枚目の荒篤山。心配なのは、先場所優勝をのがした横綱・照ノ富士が新型コロナウィルスの影響で稽古の調整が遅れたということと、カド番の大関の正代と貴景勝だ。
「新」のつく期待の力士と上位力士のド根性バトルを堪能したい。
初日、照ノ富士は豊昇龍をガバッとつかまえて一気に寄り切った。貴景勝は、八角理事長の協会ご挨拶で一緒に土俵に上がった時から「勝つもんね」という顔をしていて、取組前にチラリとテレビに映った花道の奥でも不動の「勝つもんね」表情をし、前頭筆頭・宇良に勝った。御嶽海も前頭2枚目・逸ノ城を危なげなく押し出し、若隆景は前頭2枚目・玉鷲を突き落としで勝利した。
やはり心配なのは正代。気合いのある前頭筆頭・大栄翔に「あれ~」と言う間に押し出された。強く見える黒い締め込みに変えたので、再生したと期待した。正代は、負けても悔しそうな顔をしないので、稽古不足が指摘されているが、他に深い悩みがあるのか…と思ってしまう。
ところで、2月6日のフジテレビの「日本大相撲トーナメント第四十六回大会」が、新型コロナ感染拡大の影響(出場力士の欠場者が幕内と十両で合計44名)で中止となった。そのため春場所が開催されるか、力士たちの体調はどうかと心配した。