コロナ禍でのケアの見える化

『Who cares?』というタイトルの本が出ました。

Who cares? とは、反語的に「それがいったい何の問題なの?(つまり問題じゃない)」という意味ですが、この問題はこれまでないがしろにされてきました。

ケアはただじゃない、子どもを産み育てるのはこんなに大変だ、この問題を解決しないと、もう女は子どもを産んでくれないよ、ということが、「見える化」してきました。コロナ禍のもとで、ケアの「見える化」が起きました。

「つまり、家でケアをするのはタダではない、というケアの見える化が、コロナのもとで起きました」。(写真提供:写真AC)

今日、ほとんどの家庭が共働きですから、全国一斉休校要請で子どもが家にいるようになると、誰かが家にいなければなりません。では、誰が子どもをケアするのか、といえば、ほとんどの場合、女性が仕事を休むことになります。

仕事を休めばその分、家計の収入が減りますから、休業補償金が登場しました。つまり、家でケアをするのはタダではない、という「ケアの見える化」が、コロナのもとで起きました。

社会学者の落合恵美子さんが、WAN(認定特定非営利活動法人ウィメンズアクションネットワーク)のサイトに「新型コロナウィルスとジェンダー」というエッセイを書きました。副題は「家にいるのはタダじゃない。家族や身近な人々が担うケアの可視化と支援」というものです。

こういうことがようやく「見える化」してきたのも、コロナ禍のおかげです。