写真を拡大 APS-Cサイズカメラ 16mmF1.4 絞り優先 AE(F8・1/300)-0.3EV WB:晴天 ISO200 オーストラリア・タスマニア州クレイドルマウンテン国立公園(撮影=相原正明さん)
いまや一億総発信時代。インスタなどのSNSで、多くの人が画像をUPしています。カメラやスマホのカメラの機能も進化し、「上手な写真」は誰もが撮れるようになりました。では、そのなかでプロはどのように「人の心を掴む写真」を撮っているのでしょう? 「映える」写真を撮るコツは?
オーストラリアを中心に「地球のポートレイト」をコンセプトとして撮影してきたフォトグラファーの相原正明さん。作品を撮影した時の判断や状況を「撮り方」で、作品で伝えたかった思いや撮影する上で必要な信条などを「処方箋」として記した『光と影の処方箋』(玄光社)から、一部を抜粋する新連載。第2回は「木の生命力をどう撮るか」です

木の生命力と躍動感を表現する配置

〔 撮り方 〕

木の力強い生命力を表現するために、広角レンズで幹をデフォルメして撮影した。ローアングルから狙い、さらに幹下部分のエッジを強めるためのライトが入る角度を選んだ。

これにより、この木が天に向かって伸びていく生命力と躍動感をより強めて表現できたと思う。さらに奥行きのある世界観を出すために、画面左隅に遠方の木を入れ、その木にも午後の斜光が当たるポジションを取った。

背景から手前の木が浮かび上がり、作品を見る人の目線の動きを整えた。この手前の木の配置こそ、作品の最大のポイントである。

『光と影の処方箋』(相原正明著/玄光社)