セリフの多さに「助けてほしい!」
「今回、この作品を通して改めて感じたのは『家ってやっぱりあたたかいよな』ということ」そう語るのは、4月に放送開始のNHKドラマ10『正直不動産』で主役を務める俳優の山下智久さんだ。
山下さんが演じる、不動産会社の営業マン・永瀬財地(さいち)は、嘘も厭わぬ営業トークで圧倒的な売り上げを叩き出すエース。だが、ある地鎮祭で祠と石碑を壊して以来、「嘘が上手くつけない」体質に……。
「ホンネ営業」しかできなくなった永瀬は、真実は千に三つとも言われる不動産業界でどうやって生き抜くのかーー。人気連載中の漫画(作=大谷アキラ、原案=夏原武、脚本=水野光博)を原作に、不動産取引の知られざる世界とそれに絡んださまざまな人間模様が描かれる本作品。原作の印象について山下さんは「痛快で、不動産について学べる作品」と語る。
「将来、僕が家を購入するときにも参考になるような事例がたくさん出てきます。最近で印象に残っているのは夫婦でペアローンを組むときのメリットデメリットについて説明するシーン。『同一物件に対し、生計を共にする複数の債務者がお互いに連帯保証人になり……』みたいなすごく難しいセリフがあったんですが、それを自分なりに繙いていくと学びになるなと。台本を読みながら不動産を勉強させていただいています」
それだけにセリフ量には苦労しているそうで……。
「助けてほしいです(笑)。僕が今まで出演させていただいたドラマの中で、群を抜いてセリフが多い。撮影の空き時間があると『ああ、セリフを覚えられる!』って思うくらい(笑)。僕は、どちらかというとドMなタイプだと思うので、追い込まれている自分に燃えているんですが、共演者の方々からの同情の視線を感じるんですよ(笑)」
山下さんの言葉に頷くのは、女優の福原遥さん。永瀬の後輩で新入社員の月下咲良(さくら)を演じる。
「本当に山下さん、大変だなって(笑)。私の一言のセリフが山下さんの長いセリフの間にあると、もしここで間違ったら……って、緊張感があります。だからこそ、成功した時には『おお~』みたいな、喜びがあります」