「いつでもなりたい自分を目指せるし、そこに近づいていくことができるということを、永瀬を通して感じてもらえたら嬉しいです」(山下さん/写真提供:NHK)

初心に戻って情熱を取り戻したい

山下さんが感じる作品のもう一つの魅力は、「ホンネ」しか話せなくなった永瀬が次々と不動産業界の裏側を暴いていくストーリーの痛快さ。

「ホンネで生きていたいという気持ちはみんなが持っているものじゃないでしょうか。永瀬は誰に対してもフェアにホンネをぶつけていきますので、その痛快さを楽しんで、すっきりしていただきたいなと思っています」

永瀬を演じることで、学ぶこともあったという。

「永瀬は『仕事で1番を目指すぞ、金を稼ぐぞ』という明確な目的を持っている男。一生懸命ひとつの目標に向かって生きていくことは大切だということを、永瀬を通して学ばせてもらっています。また、永瀬が体現してくれているのは、人って変われるよねっていうこと。これは僕が今回、個人的に押したいメッセージでもあります。僕自身もこうなりたい、ああなりたいという理想があって、それを目指して頑張っているところがあります。いつでもなりたい自分を目指せるし、そこに近づいていくことができるということを、永瀬を通して感じてもらえたら嬉しいです」

日本でのドラマ出演は久しぶりとなる山下さん。NHKのドラマには特別な思い入れもある。

「僕が小学6年生くらいの時、初めてテレビドラマに出演させていただいたのが、NHKさんのドラマ『少年たち』(1998年)でした。それ以来、初めてのNHKさんでのドラマのお仕事です。初心に戻って、あの頃のワクワク、ドキドキや情熱を取り戻したい」

福原さんも、小学5年生の時に出演したEテレの子ども向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』(2009~2013年)のまいんちゃん役でブレイク。

さらに、2022年度後期連続テレビ小説『舞いあがれ!』の主演オーディションを勝ち抜き、パイロットを目指すヒロイン役を射止めた。過去4回オーディションに挑戦するも最終審査まで行けなかったこともあり、ヒロイン決定の会見ではうれし涙を流した福原さん。NHKは「今の自分を作ってくれた存在」だという。

「『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』を通して、お芝居、料理、歌、声優と、いろいろなことを経験させていただき、この業界って本当に楽しいんだな、こんなに素敵な場所なんだな、というのを知ることができました。スタッフさんが暖かく、一緒に番組を作り上げていっているということが本当に楽しくて。それがあるから今もこうやっている。今回、私が演じる咲良は、とにかく真っ直ぐで可愛らしい女の子です。月下が大切にしている『カスタマーファースト』。人のために一生懸命に尽くす、頑張る月下の姿を見てちょっとでも前向きな明るい気持ちになっていただけたらいいなと思います」