年齢が近いもの同士、話も弾む

料金は各都道府県の最低賃金に準拠する設定が多いことから、首都圏はシルバー人材センターの中でも高め。家事援助サービスの時間契約は2時間単位のセンターが多いが、武蔵野市では1時間1190円から。それ以上は30分ごとの加算となる。また、庭木剪定や障子張りなどの軽作業は、作業ごとに料金が設定されている。

センターに依頼が入ると、まずコーディネーターが現場を訪問。依頼者の要望を細かく聞き、会員が働く環境などを確認して、行うサービス内容を詰めていくという。

「最初に、『シルバー人材センターは健康で働く意欲のある高齢者の方が会員で、平均年齢も70代半ばです』とご説明します。たとえばお掃除なら、プロの業者さんのようなピカピカの仕上がりではなく、ご自宅にある用具を使った日常的なものですがかまいませんか? という確認も欠かせません」

家事をこなすスピードも、若い人やプロに比べれば劣る。だが利用者と会員の年齢が近いケースが多いため、共通の話題で会話も弾み、利用者からは「心が安らぐ」という感想も多く寄せられているという。

90代でひとり暮らしをする母親のため、武蔵野市シルバー人材センターの家事援助を3年前から利用している山村悦子さん(仮名・73歳)は、こう語る。

「5年前に父が亡くなり、広い一軒家で母がひとり暮らしに。最初は住み込みのお手伝いさんをお願いしていましたが、24時間ふたりで一つ屋根の下にいるとお互い息が詰まるようで。そんな時、以前、庭のお手入れをお願いしたことがあるシルバーさんを思い出したのです」