「おひとりさまの老後」は誰にでも訪れる時代に。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の高齢者の単独世帯は2040年には全高齢者世帯の4割を占めるようになるという。できるだけ長く慣れ親しんだ自宅で暮らしたい。けれど一人分の食事づくりが面倒、掃除は骨が折れる――。年をとるにつれてキツくなる家事をサポートしてくれるサービスがあります。(イラスト=小川かなこ)
〈おひとりさまの老後〉を助けてくれるのは
同居する親を見ていると、老いとは日常の中で「できないこと」が少しずつ積み重なっていくことだと実感する。足腰が衰え、階段の昇り降りがつらくなる。布団が干せなくなったかと思うと、いつの間にか洗濯物も……。歩ける距離がだんだんと短くなり、買い物や外食も困難になる。
今は親をサポートしている私自身も、あと3年で還暦だ。ひとり身で蓄えもない自分の老後はどうなるのだろう、慣れ親しんだ家でいつまで暮らせるのだろうと、つい考えてしまう。
でも、これは私だけの問題ではない。少子超高齢社会の日本では、高齢者の独居が年々増えているからだ。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の高齢者の単独世帯は2040年に全高齢者世帯の4割を占めるという。18年のデータでは、単身高齢者世帯の男女比は男性35%、女性65%と、圧倒的に女性が多い。
おひとりさまの老後は誰にでも訪れる可能性があるし、日々行う家事ですら、自分の力でできないことが増えていくのは明らかだ。そんなとき、助けてくれるサービスがあったらどれだけ心強いか。そこで今回、家事援助サービスを提供している団体や企業などをリサーチしてみることにした。