【シルバー人材センター】
知り合いに頼むような気軽さが人気

「シルバー人材センター」とは、元気な高齢者が経験や技能を生かして働くことによって、地域や福祉が活性化することを目的とした非営利の公益社団法人だ。60歳以上の会員(作業する人)は通称「シルバーさん」と呼ばれ、請負先は公共団体や企業、家庭など。業務内容も、専門・技術、事務、農林漁業、販売、運搬、清掃などと幅広い。

「ご家庭からは庭の除草、庭木の剪定、障子の張り替えなどのご要望が多いですね。ただし、高所などでの危険な作業はお引き受けできません。基本的に臨時的、短期的、軽易な業務に限らせていただいています。近年は、掃除や買い物同行など家事援助も人気です。

たとえば高齢者の方が、布団を干してほしいなど民間企業に仕事としてお願いしにくいようなことを、ワンコインサービスの有償ボランティアという形で対応しているセンターもあります」(全国シルバー人材センター事業協会)

現在、全国に1303団体があり、全国各地域の98%を網羅。非営利かつアマチュア会員による仕事なので、民間企業よりも手頃な料金設定が魅力だが、地域によってサービス内容や料金に違いがあるので注意が必要だ。

家事援助の登録会員が280名と、規模の大きい東京・武蔵野市のシルバー人材センターに話を聞いた。

「家事援助で人気のサービスは、水回りの掃除、買い物、病院の付き添いなどです。ただし病院の付き添いは、ご自分で歩ける方に限らせていただいています。かつては車いすを押すこともできましたが、2000年に介護保険が導入され、介護についてはプロの方と棲み分けることになったのです」