特定の誰かに財産を残すには
おひとりさまが血縁関係のない人を含めた特定の誰かに資産を残したい場合は、遺言書の作成が必要となります。できれば自分で書く「自筆遺言」ではなく、「公正証書遺言」をお勧めします。「公正証書遺言」とは、公証人役場にいる公証人が関与するため、複雑な内容であっても、法律的にきちんと整理された内容の遺言にできるからです。遺言書は考えが変われば書き直すことはできます。
エンディングノートが遺言書の代わりになると勘違いされる方も多いのですが、法的効力があるのは遺言書です。
「公正証書遺言は面倒だから」と資産を残したい人を養子に迎えたおひとりさまもいます。養子は行政に養子縁組届書、当事者の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本 届出をする市区町村に本籍がないときに必要)、届出人(当事者・養子が15歳未満のときは親権者など法定代理人)の印鑑、届出人の免許証などの本人確認書類が必要ですが、詳細は市区町村に確認してください。
資産のあるおひとりさまの終活例
では、高額の資産を持っているおひとりさまは、実際、どんな資産の終活をしたのでしょう。
Aさんは親族に頼りたくないと、セレブな介護施設に入居したり、入院の際にも有料で人を雇って世話をしてもらい、葬式費用を100万円ほど残し、使い切りました。
Bさんは、100歳まで暮らせる介護施設の費用を確保した残りを、たったひとりの姪の医学部の学費として生前贈与しました。Bさんが亡くなった際に200万円ほど残っていましたが、受け取る権利は相続人となる姪の母親ひとりだけだったので、トラブルもなく、スムーズに相続は終了しました。
Cさんは、自分の出身地に寄付をするべく、遺言書を残しました。