(写真提供◎photo AC)
災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるとは限りません。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第13回は「高齢者の資産実態について」です。

前回 「生きてるうちは「おひとりさま」でも死後は別。天涯孤独か、親族はいるのか。火葬や借金で混乱しないための申し送りを」はこちら

目次
高齢者の資産実態
高齢おひとりさまの資産の終活
相続人がいない人の財産はどこへ?

遺留分とは何か
特定の誰かに財産を残すには
  1)公正証書遺言
  2)養子になる

資産のあるおひとりさまの終活例
資産が残りそうにない場合は
血縁や身内を頼らないために
まとめ

高齢者の資産実態

高齢者は高額の資産を持っていると言われていますが、実際はどうなのでしょう?

令和2年に内閣府が全国の60歳以上の男女を対象に行った「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」 (令和2年度 第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果(概要) (cao.go.jp))では、日々の経済的な暮らしぶりについて 「困っていない」と「あまり 困っていない」の合計は63.6%、また、年齢階級別 に見ると、特に80歳 以上では67.4%となっている」とあります。つまり60歳以上の男女の3分の2は生活に困ってはいないということになります。

【図表】日々の経済的な暮らしぶりについて(出典:内閣府の調査を元に筆者作成)

また、総務省統計局が2017年に実施した調査では「高齢者世帯の貯蓄現在高は、2017年は1世帯当たり2386万円となっています。貯蓄現在高の推移をみると、2013年と比較すると2014年は増加しましたが、2017年は2015年、2016年に続き3年連続の減少で、定期性預貯金などが減少しています。なお、1世帯当たり平均の貯蓄現在高は、貯蓄額の高い世帯によって引き上げられます。そこで、貯蓄額の低い世帯から高い世帯へ順番に並べた際にちょうど中央に位置する世帯の値(中央値)をみると、2017年は1560万円となっています」
統計局ホームページ/平成30年/統計トピックスNo.113 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-/4.高齢者の家計 〈stat.go.jp〉

総務省は理由を明らかにしていませんが、このデータで注意しなければならないのは、ひとり世帯は含まれないこと、また、「貯蓄額」であって不動産は含まれていないことです。地域によって差はありますが、マイホームなどの不動産を所有している世帯もあるでしょうから、さらに資産が多いと考えます