ほかの人の真似をするな

自ら歌詞を書き、曲を作り、自身の物語を語る。それがヒップホップだ。BTSが所属するBigHitエンターテインメント(以下、BigHit)のパン・シヒョク代表が当初から強調していたのが、「ほかの人の真似をするな。経験していないことを書くな。自分の話をしなさい」ということだった。その言葉通り、彼らは自らの挫折や葛藤、愛や希望といった心情を次々と歌にしていった。筆者も、アンチがBTSに向ける敵意を皮肉った「MICDrop」を聴いた時、「アイドルがこんな攻めた曲を」と驚いたものだ。

「彼らの曲のほとんどにメンバーの名前がクレジットされています。BTSはプロデューサーに作られたのではなく、自分たちが作り上げた、自分たちのことを歌うアイドルであると言えますし、それこそが大衆の心を掴んだ理由の一つなのだと思います」とキムさんは分析する。

【BTS年表】

2013年
6月13日シングル「2COOL 4SKOOL」で韓国デビュー。12月、東京・渋谷O-WESTにて、日本で初めてのライブを開催

2014年
6月4日、シングル「NO MORE DREAM-Japanese Ver.-」で日本デビュー。8月アメリカ・ロサンゼルスで開催された「KCON」(K‐POPやグルメ、美容など、韓流文化コンテンツを体験するコンベンションとコンサートを融合させたフェスティバル)に出演。日本では第1回となるファンミーティングをはじめ、ライブやイベントなどを10回開催

2015年
4thシングル「FOR YOU」がオリコン週間シングルランキング1位に


2016年
日本での2ndアルバム『YOUTH』が、海外のヒップホップグループで初めてオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。韓国での2ndアルバム『WINGS』がビルボード200チャート26位に。韓国アーティストとしての最高記録を更新

2017年
アメリカTIME 誌のThe 25 Most Influential People on the Internet に選定される。オリコン上半期シングルランキングで「血・汗・涙‐Japanese Ver.-」が11位を獲得。ビルボード「2017年トップアーティスト」10位に。韓国歌手として最高記録を更新。世界を視野に入れ、正式名称を「防弾少年団」から「BTS」に変更。ワールドツアーで19の国と地域で40公演を行い、約55万人を動員した。セウォル号沈没事故の遺族に1億ウォン(約1000万円)を寄付

2018年
3rdフルアルバム『LOVE YOURSELF 轉‘Tear’』を発売。アジア圏出身者として初めてビルボード200で1位を獲得。韓国政府から史上最年少で花冠(ファグァン)文化勲章を受章

2019年
第61回グラミー賞にプレゼンターとして出席

2020年
デジタルシングル「Dynamite」発売。ビルボードシングルチャート「ホット100」で初登場1位を獲得。グラミー賞の最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門にノミネートされる。韓国での年間のアルバムセールスが882万枚。100位以内にアルバム12枚がランクイン。クリスマスには、JIMINとVがソロ曲をリリース