紅白歌合戦、女性だから紅組って決まってるの?

1970年代、アメリカのある有名オーケストラでは、入団時の実技試験の際、演奏者の容姿がわからないようにカーテンを導入しました。すると、それまで10%以下だった女性団員の数が、30%台まで増えたのだとか。

問題に気づいたら、このように〈カーテン〉を引けばいいのだと私は思います。出産や育児によって、女性だけが働く環境を奪われる。それは性差による不平等という問題にとどまりません。収入の格差が生まれれば、ひとり親家庭の貧困も招きます。社会にとって重要な役割を担う人に対し、それを就業時のハンディキャップとして背負わせてしまう社会矛盾はもう終わりにしなければ。

男性の育児休業・間もなく新設される出生時育児休業取得の推進や、保育所や病児保育の施設拡充といった働く親を支えるシステムを整えることは、「育児の共有」を増やす〈カーテン〉となり、社会全体の幸せにも繋がるのではないでしょうか。

長女の家庭は共働き。その日、仕事がはやく終わったほうが子どものお迎えも食事づくりも担当するシステムだとか。孫は小学校の二分の一成人式で「お母さん、お仕事頑張ってね。お父さん、いつもおいしいごはん、ありがとう」とみんなと正反対のことを言って、ずいぶんウケたようです。

でも本人にすれば、「どこがおかしいと?」なのでしょう(笑)。次女の紅白歌合戦出場が決まった際も、「え、女だから紅組って決まっとーと?」と驚いていました。孫のこうした発言は、娘夫婦の「育児の共有」から自然と生まれたものかもしれません。男女のあり方についても、新しい発見や刺激をくれますね。