本土復帰前の沖縄「やんばる地域」に生まれ育ち、復帰とともに東京で働き始めるヒロイン・比嘉暢子(ひがのぶこ)を沖縄県出身の黒島結菜が演じる(写真提供:NHK)

 

沖縄育ちのヒロインが食を通して成長

4月11日からスタートした2022年度前期連続テレビ小説『ちむどんどん』(月〜土曜 午前8:00 NHK総合ほか)。沖縄に生まれ育ち、ふるさとである沖縄の料理に夢をかけたヒロインと支え合う四兄妹の歩みを見つめた50年の物語だ。

脚本は、2006年『パッチギ!』、2007年『フラガール』と2年連続で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞し、NHKでは連続テレビ小説『マッサン』(2014〜15年)などを手掛けた羽原大介によるオリジナル脚本。構想から2年かけたという今作は、沖縄の食を通して、ヒロインが〈ちむどんどん〉する=沖縄の言葉で「チム=肝(心、胸)」が高鳴る、ドキドキ、ワクワクしながら成長していく姿を描く。

100年の家族の物語を紡いだ『カムカムエヴリバディ』の余韻が残る中、前作の3代目ヒロイン・川栄李奈からその座を引き継ぐのは、沖縄県出身の黒島結菜。今作で、本土復帰前の沖縄「やんばる地域」に生まれ育ち、復帰とともに東京で働き始めるヒロイン・比嘉暢子(ひがのぶこ)を演じる。

序章では、1964年、アメリカ統治下の沖縄における比嘉家の日常生活の様子が放送されたが、早くも父・賢三(大森南朋)が倒れてこの世を去るという急展開。

お葬式を終え、呆然としながら砂浜に集まる四兄妹。長兄・賢秀(浅川大治)が「人は死んだら海の向こうのニライカナイに行く」と言い、それぞれが海の向こうの父への想いを叫ぶ。母・優子(仲間由紀恵)の何かを決意した表情でお墓を見つめる姿は印象的だった。