事務所にたたずむ立花さん(写真提供◎立花事務所)
ジャーナリストで評論家の立花隆さんが亡くなられてから1年が経とうとしています。 立花隆さんが仕事場に残した膨大な資料の行方をめぐり、注目が集まっていたさ中、このうち段ボール100箱分の貴重な資料が、茨木県筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に寄託される――と報道されました。 ダンボールの中身は、『田中角栄研究』や『共産党の研究』執筆時の取材ノートや資料など、ファン垂涎のものばかり。筑西市に出かけていけば、手に取ることができるそうです。 2022年4月30日夜には、一周忌に合わせてNHKスペシャル「立花隆 最後の旅〜知の巨人は何を遺したのか〜」も放送されます。死後再び立花さんの仕事が脚光を浴びることで、事務所内の蔵書のほぼすべてを撮影した 単行本『立花隆の書棚』(立花隆、薈田純一著、中央公論新社刊、2013年)が再び静かなブームに。本書から 一部を公開します。 (撮影・文◎薈田純一 初出『中央公論』2022年4月号 )

蔵書10万冊の『立花隆の書棚』

立花さんの書棚の撮影は「全部撮るなら」という条件で始まった。

「全部」は巨大な好奇を原動力とする立花さんの仕事を支える哲学だった。

だから「全部撮る」は当たり前のことだったのだ。

 

資料が積みあがった机の上(写真提供◎立花事務所)