「黒毛和牛フィレ肉の炭火焼ステーキ」。牛は、青森、埼玉などその時々でよいものを仕入れているそうで、取材日は北海道産。肉と一緒に土鍋で炊きたてのご飯を出すのが同店流。米は魚沼のコシヒカリ。カレーにもできる

 

肉質はきめ細かく、しっとりとなめらか

昔から銀座にはステーキの名店が多い。そして銀座にはそんなオーソドックスな味がよく似合う。オープンして5年めになるここ「吉平」もまた、知る人ぞ知る炭火焼ステーキが評判の一軒だ。ビルの3階、10人も入れば満席のこぢんまりとした店内は、レストランというよりも、どこかサロンを思わせる美食の空間。知人宅を訪れたような落ち着いた雰囲気は、ちょっとした改まった席にもお勧めだ。

前菜の「野菜盛り合わせ」。手前から時計回りにズッキー二と芽キャベツのグリル、椎茸炭火焼、カリフラワーのコロッケ、トマトのフリットなど9品が並ぶ。これにデザートがついたランチコース5000円

 

夜は、110日間熟成させた「北海道短角牛骨付きリブロース」や「青森県産褐毛和牛骨付きTボーン」など、個性豊かな牛肉を幅広く用意。塊でダイナミックに焼きあげるステーキが人気だが、ランチでは「食べやすく、わかりやすい美味しさの黒毛和牛フィレ肉をお出ししています」とは大下剛広シェフ。

肉に厚みを持たせて焼くのが美味しく焼きあげるコツだそうで、1人前120gとボリュームもたっぷり。肉を食べた!という実感を満喫できる。備長炭にかざし、遠火の強火で焼くこと15分、その後、ホイルに包んで約10分、余熱で火を入れれば、ご覧のように見事なロゼ色に。肉質はきめ細かく、しっとりとなめらかな舌ざわりの中、じんわりと肉汁が滲み出る。余韻の豊かさも上質の和牛ならではだろう。