イラスト:小林マキ
マスク生活の定着で、お口のケアがおろそかな人が増えているようです。口の中の状態の把握は、エチケットとしてだけでなく、健康維持や病気予防の面からもとても大切。『婦人公論』世代が心がけたい対策を専門家が伝授します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

マスク生活は歯周病菌の繁殖には好環境

長時間マスクをつけるのが当たり前になり、「口臭がきつくなった」「口の中がねばねばする」と感じる人が増えているといいます。

「口の中の環境悪化は、歯周病の進行に結びつくと考えられます」と指摘するのは、木下歯科医院副院長の野村洋文先生です。

歯周病とは、歯を囲む歯肉や歯を支えるに炎症が起き、ひどくなると歯がグラグラして抜けてしまう病気のこと。その原因となるのは歯周病菌で、歯と歯茎の間の「歯周ポケット」と呼ばれる、酸素の届きにくいすき間に棲んでいます。

「歯周病菌は酸素の少ないところで増えていきますから、マスク生活で空気を取り込みにくい口腔内は、歯周病菌が繁殖するにはうってつけの環境といえるのです」(野村先生。以下同)