大事なのは「明確な目的」

それまでゲーセン通いばかりで、ほとんど勉強をしていなかった亮吾ですが、この手記を読んでから勉強に対する取り組み方が一変しました。

今回の対談でも、心境の変化について、次のように話しています。

「僕が小学校4年生のときに言った〈東大に行く〉という夢を、母親はずっと覚えてくれていて、応援してくれていたことに気づいてからは、自分で言うのもなんですが、本当に頑張って勉強しました。手記を見る直前の高2の春の学校の全体テストでは、300人中298位と下から数えたほうが早く、東大は絶望的な状況でしたが、高3の春のテストでは全体で7位。このとき、やればできるんだということを学びました」。

勉強に限ったことではないでしょうが、『心の中に明確な目的』を持っていないと、そこそこは上に行けても、突き抜けるところまでは達しないのかもしれません。

例えば亮吾の場合だと、大吾への対抗心から、『東大に行きたい』という目的ができたため、『中学受験を頑張らないと』と、勉強に火が付いたわけです。

そして高校2年のときは、妻が残したメッセージを見て、『絶対に東大に行く』という明確な目的ができました。

大人になってからの勉強と違い、学生のときは『何となく勉強している』人が多い気がします。何となくでは、目的を持って勉強をしている人には、絶対に勝てないと思います。