《季語の現場》で実感を
『歳時記』と仲良くなり、「これが季語なんだ」とわかった段階では、まだそれは脳の知識でしかありません。生活の中で、その季語と出合ったときに初めて実感が生まれます。これを《季語の現場》と言います。
たとえば「春霞」を目の当たりにしたときも、それまで単なる気象用語だと思っていたのに、「わぁ~、季語と遭遇している!」という感動が生まれます。そして、春霞というのはこんな色合いで、時間の経過でこう変化していくのか、と身体で感じるようになるのです。
《季語の現場》で、実際に目で見て、音があれば聞く、匂いがあれば嗅ぐ、触れられるものなら触る。五感情報として季語を自分の身体に入れる、その積み重ねが大事なのです。私もいまだに、「この季語にはこんな表情があったのだ」と新鮮に感じます。
◆夏の季語の例(5月中旬~6月中旬)=夏めく/薫風/更衣/田植/新茶/蜥蜴/時鳥/鮎/葉桜/薔薇/バナナ
いざ実践!
『歳時記』を見ながら、気になった「季語」を書いてみましょう
参考資料◎『2022年版 夏井いつきの365日季語手帖』(レゾンクリエイト)