泣けば好感度が上がると言われた

「ピン子、結婚したら夫の前では仕事しちゃいけないよ」という橋田さんの教えを守り、ご主人の前では決して台本を出して稽古しなかったというピン子さん。しかし、今回の舞台の原作小説を地でいくような「夫の不倫」を経験。当時の記者会見では号泣したことが話題になりました。

「実はあれは橋田寿賀子さんの演出だった。泣けば好感度が上がると言われた」と明かしたピン子さん。結果は逆効果だった、と悔やんでみせました。

シャネルのスーツ、9センチヒールで

今回の朗読劇は、2018年に講談社より出版された内館牧子さんのベストセラー小説『すぐ死ぬんだから』を舞台化したもので、夫の死後、愛人と隠し子の存在を知った主人公を泉ピン子さんが演じます。

「内館先生がうちを覗いてたんじゃないかと思った」とそのリアルさに驚いたピン子さん。「夫に読ませたら『面白い』だって! 自分がやったことを忘れてるのかしら」と話すと、司会の中井さんから「それはご主人が忘れたことにしているのでは?」と突っ込まれていました。また「自分が建てた富士山や相模湾が見えるお墓には、夫ではなく犬と一緒に入りたい」「夫婦はボケたもん勝ちだから、最後ぐらいは夫に迷惑をかけたい」など、ピン子さん流のサービス満点の毒舌で客席は爆笑の渦に。

この朗読劇は、ピン子さんと村田さんの二人だけで登場人物を演じ分けることも話題のひとつ。時には村田さんが女性の役を演じることもあるといいます。
「セリフを覚えてしゃべる演劇と、言葉を読みながら演じる朗読劇はまったく別物」という村田さん。ピン子さんも「一度は朗読劇に挑戦したかった」と夢がかなったことを喜びます。

この作品を女優業の集大成にしたいと言い切るピン子さんに対して「ピン子さんは熱量がすごい。そこにいるだけで一人だけ色が違って見える」と村田さん。「最初の本読みですでにピン子さんは演じ分けも完ぺきにできていました」というとピン子さんが「わたし、天才なのよ」と返し、息の合ったやりとりを披露していました。

「舞台用の衣装も全部自前。ウイッグも作りました。とにかく体当たりでやってます。たくさんの方にぜひ見ていただきたい」というピン子さん。
「私たちは全国のお客様に育てていただいたので、この作品とともに、全国のさまざな地域をお礼の気持ちで回りたい」と言います。

橋田さんがご縁で知り合ったというピン子さんと内館さん

◆「朗読劇 泉ピン子の『すぐ死ぬんだから』」は、8月4日の「池袋あうるすぽっと」を皮切りに全国9カ所で22公演行われる予定です。