議会の傍聴に行ってみよう

酒井 私自身、政治的なリテラシーが低いと感じています。思えば、政治と自分を結びつけるような教育は受けていませんでした。

三浦 主権者教育については、日本はまだまだ手薄だと思います。ただ、公職選挙法の改正で16年の参院選から「18歳投票権」が導入されたのは、非常に意味あること。15歳からでもいいくらいです。というのも、親元にいる高校生が投票に行くと、親も投票に行くという副次的効果が見込める。

それと、中学生の段階から地方議会の傍聴に行くことも広がってほしい。子どもたちを前にして、議員たちは居眠りなんてできないはず(笑)。ヤジを聞けば、「自分たちの学級会よりひどい」という感想になるでしょう。

酒井 大人にとっても、議会の傍聴は新鮮な刺激になりそうです。

三浦 どんどん行ってください!議員の通信簿をつけると、さらに楽しめますよ。質問内容とか議会でのふるまいを、〇△×で評価したり。そうして見ていれば、「この人は勉強している」「ジェンダー問題をちゃんと考えている」などと議員の優劣はすぐにわかる。町内会のお祭りでは優しいおじさんだったのに、議会では差別的な発言をしていることにも気づけたりしますし。

酒井 人格とイデオロギーって、別物ですものね……。

三浦 にこやかな選挙ポスターや選挙演説だけではわからないことが、いっぱいあります。「真面目に勉強して、いい質問をしている《推し》の議員を見つける楽しみ」というように政治を捉えてみてほしいです。

酒井 政治参加でいうと、読者のみなさんの中には、保育園や学童クラブを作ってほしいと陳情した経験がある人は多いかも。自分たちの行動で政治は変わる、という成功体験の積み重ねは大切ですね。

三浦 実際、地方選挙では、当選確実といわれていた自民党の重鎮が落選して、新人の女性が上位当選したりしています。

酒井 10年後、20年後が楽しみです。

三浦 コロナやウクライナの戦争など、いろんな問題が重なって起爆剤になり、大きな変化が起きる可能性はあると思います。

酒井 日本人は政治の話をタブー視しがちですが、未来のためにも、目を逸らさないことが大事ですね。

三浦 そして、なにより投票を!!