大量にあった食器類や陶器は厳選したものだけを新居へ

大量の服や家財道具を半分以下に縮小

引っ越しをするにあたって、ため息が出るほど大量の服に始まり、趣味で集めた陶器や絵画、家具などをそれまでの半分以下に減らす必要がありました。

お恥ずかしい話ですが、私は経済観念に疎くて、服でも陶器でも、「素敵!」と思ったら、値段なんて見やしない(笑)。いくら高額でも、気に入ったらすぐに買ってしまう性分なんです。

著名な作家さんの着物を揃えたり、居間にはアンティークのハープシコード(チェンバロ)も置いてありました。

実は、61歳のとき、新婚当時から住んでいた家が古くなってきたので、一度家を建て替えています。そのときはモノを減らそうなんてまったく考えていなかったので、大きな収納スペースを作ってもらい、その中にギッシリ詰め込んでいたんです。でも、新しいマンションにはとうてい収まらない。とにかくモノを減らさなきゃ、と。

とはいえ、マンションが完成するのは約1年後だから、それまでに整理すればいいと悠長に考えていたのです。ところが、売りに出した石神井の家が予想外に早く売れてしまって、買い手に明け渡すまでの期間が3ヵ月! 大慌てで仮の住まいを探し、それからの3ヵ月間は家じゅうのモノを引っ張り出して、片っ端から片づけていく毎日でした。

幸い、「不要なものは置いていっていいですよ」と買い手の方が言ってくださったので、ダイニングテーブルやソファ、食器が入ったままの食器棚、ハープシコードや絵画などはすべてそのまま置いてきました。

洋服や着物は友人やマネージャーにあげたり、リサイクルショップにまとめて買い取ってもらうなどして、元の量の約1割に。素敵な帽子もたくさんあったのですが、思い切ってすべて処分しました。

最終的に手元に残したのは、自分が本当に好きなものや、必要なものだけです。あまりに処分しすぎて、ここに越してきてから、娘一家や東京から遊びに来てくれる友人たちと食事をするために、新たに大鍋を買う羽目になりましたけど(笑)、それ以外はすべて、これだけは手放せないと厳選したものばかりです。