「この俳優さんの名前、なんだったかしら」……。加齢とともにもの忘れが増えたと自覚することはありませんか? 人生100年時代をはつらつと過ごすためにも、脳の健康は気になるところです。脳の老化を予防するコツを教えてもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
多様性に富んだ食事と楽しい会話を意識しよう
生活習慣病を予防し、脳の健康を守るためには、食事にも気を配ることが大切です。国立長寿医療研究センターが60歳以上の人を対象に行った調査では、「さまざまな食品を食べている人」のグループは、そうでないグループに比べ認知機能の低下が44%も低かったと報告されています。
「なるべく多くの食材を組み合わせ、多様性のある食事を心がけましょう」
食事でどんなものを増やすとよいのかについても、参考になる報告があるそう。
「九州大学の調査で、認知症のリスクの低い人の食事内容を分析して導き出された『増やすとよい食品』が下の品目です。これをヒントに食事を見直してみてください」
加えて遠藤先生は、コロナ禍においてとくに注意しておきたいこととして、社会的孤立をあげます。
「軽度の認知症患者が3ヵ月デイサービスにいかないだけで、重度まで進行してしまうほど、人とのコミュニケーションは重要。楽しくおしゃべりすることは、それだけで脳の血流を促進し、活性化させます。趣味の集まりに参加するなどして、積極的に人との交流を増やすことを心がけて」