アメリカでキン消しをどのように説明したか

そんな折、アメリカの小学校でよく行われている「ショー・アンド・テル」の順番が、息子にも回ってきました。日本ではあまり馴染みがないでしょうが、「ショー・アンド・テル」とは、自分がいちばん大切にしている物を、クラス全員の前で「show(見せ)」し、それについて「tell (話す)」するというものです。

息子が学校に持っていったのは「キン消し」でした。

当時日本の子どもたちの間で流行っていた漫画『キン肉マン』のキャラクターを模った消しゴムです。カプセルトイ、いわゆる「ガチャガチャ」で手に入り、様々な登場キャラクターの「キン消し」を子どもたちはこぞって集めていたものです。

息子もご多分に漏れず、段ボールいっぱいほども「キン消し」を持っていました。彼はそれを大切にしていて、アメリカにも持ってきていたのです。

ただ、当然息子には、それがどういうものであるかを説明できるような英語力などありません。彼は段ボールいっぱいの消しゴムを1つひとつ掲げました。そして、そのキャラクターの名前を、ただひたすら、大きい声で言っていきました。

「ロビンマスク、ラーメンマン、……バッファローマン……」