もうちょっと待って

学校自体にそれだけ嫌なものがあるんならば、私だったらば行かせないと、行かなくていいと、そういうふうに思うの。

『9月1日 母からのバトン』(著:樹木希林、内田也哉子/ポプラ社)

子どもも、ずっと不登校でいるっていうのは辛抱がいることだと思うの。

うちの夫がある日こう言ったの。「お前な、グレるっていうのは大変なことなんだ」「グレるっていうのはエネルギーがいるんだ」「グレ続けていくっていうのも苦しいんだ」って。

ある意味で、そういうことじゃないかと思うの。

そうだとすると、不登校でも、ある日ふっと何かのきっかけで、学校はやめるかもしれないけど、もっと自分に合った、っていうと自分中心だけどそうじゃなくて、自分がいることによって、人が、世の中が、ちょっとウキウキするようなものに出会うということが、絶対にあると思うの。

だから、9月1日に「嫌だなあ」と思ったら、自殺するよりはもうちょっと待って、世の中を見ててほしいのね。必要のない人なんていないんだから。