人生は楽しまなければ損

人生にはどうしようもないことが山ほど起こります。「自分はなんて不幸なんだ、不運なんだ」と嘆いても仕方がありません。

それがわかれば自分の身体に障害が残った事実をありのままに見つめ、その変化に適応するだけのことです。「人生とは何か」などと自問自答する必要はまったくない。

年を取って死の恐怖を感じるのは、わからないでもありません。知人や友人が亡くなっていきますから、どうしても死を意識してしまいます。

しかし年齢別死亡率や平均余命といった統計をみれば、年を取ったら死ぬ確率は年々高まっていくのがわかるでしょう。客観的データに基づけば別に怖がる必要はなく、死は誰にでも訪れる当たり前の自然現象だと思えばよいだけの話です。

何より、人生は楽しまなければ損です。以前と同じようには動けなくなったからといって、落ち込んでいる暇などありません。

実際、脳卒中で麻痺が残ってリハビリに取り組み、復職にチャレンジするプロセスではいままで見えていなかった事柄に気が付いたり、新たに学んだりしたことがたくさんあります。

※本稿は、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。

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復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(著:出口治明/講談社現代新書)

脳卒中を発症してから1年半。歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!