「牛乳を飲むと背が伸びる」「コーラで骨が溶ける」などと耳にしますが、栄養学的に正しいのでしょうか(写真提供:Photo AC)
「体にいい」「悪い」で語られがちな食べもの。しかし、生物や食品化学などの分野に詳しく、明治学院大学や東洋大学で非常勤講師を務めるサイエンスライター・佐藤成美さんは「多くの人が時代背景や健康ブームに惑わされ、栄養学的に正しい事実をわかっているようでわかっていない」と感じているそうです。たとえば牛乳を飲めば「背が伸びる」「骨が丈夫になる」とよく言われますが、実際にはそれだけだと足りないそうで――。

牛乳を飲むと背は伸びるのか

牛乳を飲むと背が伸びるとよく言われます。子どものころ、背を伸ばそうと一生懸命牛乳を飲んだ人も多いのではないでしょうか。

背が伸びるといわれたのは、牛乳は骨を丈夫にする栄養分が豊富で、特にカルシウムが骨や歯の成分としてよく知られているからでしょう。

学校給食で牛乳を飲んできた世代の人の方が、給食のなかった世代の人にくらべ平均身長が高いというデータがあるので、何らかの関わりはあるといわれます。

しかし、身長が伸びる要因には遺伝的なものもあれば、運動や栄養など環境的なものもあるので牛乳を飲んで背が伸びるといえるかどうかはよくわかっていません。 

いずれにしても背が伸びるためには、骨の成長が欠かせないことは言えます。