「コーラを飲みすぎると骨が溶ける」と言われるワケ
血液中のカルシウムの濃度は、体のしくみによって厳密に保たれています。このカルシウムの代謝を調節しているのが、副甲状腺ホルモンとカルシトニンという2つのホルモンです。
副甲状腺ホルモンは破骨細胞を間接的に刺激して骨吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を上昇させます。カルシトニンは骨吸収を抑制し、血液中のカルシウム濃度を低下させます。
カルシウム濃度が低下した時、副甲状腺ホルモンは、骨の吸収を促すとともに腎臓での活性型ビタミンDの生成を促すことで、腸管でのカルシウム吸収を促しています。
また、カルシウムとリン酸の代謝は密接に関連していて、一方が増加すると他方は減少します。
よく「コーラを飲みすぎると骨が溶ける」ときくのは、コーラにリン酸が含まれているからではないかとも言われていますが、関連は明確にはなっていません。
もちろん飲みすぎはよくないのですが、カルシウムの代謝はいろいろな機構で調節されているので、コーラを飲んだだけで骨が溶けることはないはずです。