22年の4月クールで放映された、連続ドラマ「金田一少年の事件簿」(日本テレビ系、日曜午後10時半)。人気グループ「なにわ男子」の道枝駿佑さんが5代目・金田一一を務め、大いに話題になりました。一方、その原作であるマンガ『金田一少年の事件簿』は1992年から「週刊少年マガジン」に連載された人気作品ですが、ヒットの背景にはマンガ原作者・樹林伸さんのある想いがあったそうで――。
少年誌初の本格ミステリーマンガ『金田一少年の事件簿』
「ミステリにふさわしいのは、時代遅れと云われようが何だろうが、やっぱりね、名探偵、大邸宅、怪しげな住人たち、血みどろの惨劇、不可能犯罪、破天荒な大トリック……。約束事で大いに結構。要はその世界の中で楽しめればいいのさ。但し、あくまで知的に、ね」(綾辻行人『十角館の殺人』より)
1987(昭和62)年に刊行された『十角館の殺人』を皮切りに、小説の世界では「新本格ミステリー」が大ブームを呼んだ。
松本清張の登場以来、ミステリーはもっぱらリアリズム重視の社会派ミステリーが主流になっていたが、かつての江戸川乱歩や横溝正史のような「名探偵が謎を解く」本格派の復興ムーブメントだ。
1992(平成4)年、このマンガ版が「マガジン」で始まった。少年誌初の本格ミステリーマンガとして大ヒットした『金田一少年の事件簿』(画・さとうふみや)である。
講談社のマンガとして初めて累計1億部の大台を突破し、2018(平成30)年からは20年後の金田一を描く続編『金田一37歳の事件簿』(イブニング)もスタート。30周年を迎えた2022年は日本テレビ系で5代目となるドラマも放送されるロングセラーとなっている。