「マガジン」と「サンデー」を象徴したキャラクター

主人公の江戸川コナンという名前は、言うまでもなく江戸川乱歩とコナン・ドイル(シャーロック・ホームズの生みの親)を合わせたもの。その正体は高校生探偵・工藤新一だ。コナンの姿でいるときは小学1年生で通しているが、実は「金田一と同じ高校2年生」である。

同じ年に生まれ、昔から重厚で青年誌志向が強い「マガジン」と、明るく都会的な少年誌にこだわる「サンデー」をそれぞれ象徴したキャラクターのようにも見えて面白い。

2008(平成20)年には、「マガジン」と「サンデー」の創刊50周年を記念するイベントのひとつとして、講談社と小学館が共同で「名探偵コナン&金田一少年の事件簿」というコラボマガジンも刊行した。

※本稿は、『「週刊少年マガジン」はどのようにマンガの歴史を築き上げてきたのか? 1959ー2009』(星海社新書)の一部を再編集したものです。


「週刊少年マガジン」はどのようにマンガの歴史を築き上げてきたのか? 1959ー2009』(著:伊藤和弘/星海社新書)

「日本初の週刊少年マンガ誌」の座をめぐって繰り広げられた『マガジン』VS.『サンデー』の創刊レースのデッドヒートは、今日まで続くマンガの歴史のビッグバンだった! 本書は『週刊少年マガジン』の旅立ちから、やがて遅れて市場に参戦した『ジャンプ』との熾烈な争いに至るまで、その長い歴史を築き上げた当事者たちの肉声によって紡がれる実録マンガ史。マンガとは何か? その答えのひとつは、確実に本書の中に佇んでいる。