左:スイセン 右:ニラ 誤食でニュースになりがちなスイセンの葉(イラスト:ウラケン・ボルボックス)

葉はニラやノビルとそっくりな「スイセン」

平べったくて細な長い葉の野菜といえば、ニラですが、ニラとそっくりな葉をもつ植物があります。とてもおいしいノビルという春の山菜、そして毒ありのスイセン、ハタケニラです。

これらはすべてヒガンバナ科の植物で、花がない時期はみんなそっくり。間違って毒のあるスイセンを食べてしまい、中毒になる人がたくさんいます。

これらを見分ける一番わかりやすい方法は、においを確かめることです。食べられるニラ、ノビルは、どちらも葉や茎を折ったり、こすったりすると、”ニラ臭”というニンニクのようなにおいがします。

一方、スイセン、ハタケニラは”ニラ臭”がしません。しかし、においで区別ができなかったり、迷った場合は、絶対に食べないでください。

 

※本稿は、『すごい毒の生きもの図鑑 わけあって、毒ありです。』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


すごい毒の生きもの図鑑 わけあって、毒ありです。』好評発売中です!

「自然にはキケンがいっぱい! でも、みんな精いっぱい生きてるんです」 世界には、毒をもった生きものがたくさん存在します。その生態は多種多様。環境に合わせて進化するうち、毒によって身を守ったり、獲物を捕まえるなどして生き残ってきました。本書では、毒を使って生きる動物や植物を、ポップでなイラスト&マンガとわかりやすい文章で、楽しみながら教えます。 特に夏のレジャーで山岳や川辺、海辺などを訪れる際、安全に楽しむための豆知識も充実。いざという時の対処法も収録しました。 監修は薬科大学客員教授の船山信次先生。子どもにもわかりやすく丁寧な解説で、親子で安心して楽しめます。全ての文字はルビ付きで、子どもだけでも読むことができます。 【教養が身につく中公新書からうまれた本 シリーズ第2弾!】