小さくて可愛いヒョウモンダコも、毒あり生物(イラスト:ウラケン・ボルボックス)
様々な生きものに害を与える「毒」。日本薬史学会副会長・日本薬科大学客員教授で、『毒と薬の世界史』など、毒にまつわる著書を多数持つ船山信次先生によると「私たちの近くにも、人に害をもたらすような強い毒をもっている生きものがたくさん潜んでいる」とのこと。今回、そんな毒をもつ生きものの中から、海に生息するヒョウモンダコとゴンズイについて解説してもらいました。

興奮すると変身するヒョウモンダコ

ヒョウモンダコは、小さくてかわいいタコ。普段は岩やサンゴと同じ色になり、忍者のように隠れていますが、興奮すると変身! 鮮やかなブルーのヒョウ柄があらわれ、攻撃的になります。

こうなるととてもキケン! ヒョウモンダコの唾液には、フグと同じテトロドトキシンという猛毒がふくまれているので、かまれると大変。まるで鳥のクチバシのようなするどい口でかみつき、傷口から猛毒を流し込みます。

毒の強さは1匹で大人7人を殺せるほど! シビレやめまい、しゃべれなくなったり、目が見えなくなったり。手あてがおくれると、呼吸ができなくなって死ぬこともめずらしくありません。

タコといえば、黒いスミを吐き出して、”目くらましの術”を使って逃げることで知られていますが、ヒョウモンダコはスミを吐くことができません。

カニや貝などの食べ物から取り込んだ毒を、濃縮してたくわえることができるようになり、もうスミは必要なくなったのかもしれませんね。

刺激を与えることで、ブルーのヒョウ柄に変化!(イラスト:ウラケン・ボルボックス)
ヒョウモンダコ
【分類】軟体動物・頭足類
【生息地】太平洋・オーストラリア沿岸
【大きさ】全長8~15㎝
【対処法】かまれたら…マヒが出ないうちに陸に上がり、救急車を呼んで!急いでいても絶対に走らないで
『すごい毒の生きもの図鑑 わけあって、毒ありです。』(監修:船山信次 絵:ウラケン・ボルボックス/中央公論新社)