寿美 まかせてくださいな。これからは、ゆっくり二人の時間を楽しみたいですね。
高島 フリオ(・イグレシアス。スペイン出身の世界的歌手)の追っかけとかね。
寿美 そう。あなたがここまで回復したのは、フリオさんのおかげでもあるもの。彼は会うたびにあなたの顔をじっと見て、「忠夫、よくなったね。よかった、よかった」って言ってくださって。フリオのコンサートツアーを追っかけて夫婦で世界一周なんて、考えただけでワクワクするわ。
高島 そうだね。45年間、ケンカひとつすることなく仲良くやってこられたのは、どうしてなんだろう? 相性がよかったのかな。
寿美 心と心のつながりを大切にしてきたからじゃないかしら。あなたは、私が手をつなごうとするとはらいのけるような恥ずかしがり屋さんだけれど、その代わり、心がつながっている実感を与えてくれたと思う。いつも互いの存在を思いやる空気があるというか。それさえあれば夫婦はだいじょうぶ。
高島 僕らが腕を組んだり、ハグしたりするのは、撮影のとき限定だしね。でも最近、80代ぐらいの夫婦が手をつないで歩いているのを見たりすると、いいなあ、と思うんだよ。
寿美 ホント? 私たちもやってみる?
高島 いや、できない。そういうことは積み重ねだから、今となっては絶対無理。それだけは勘弁してくれ。
寿美 はいはい、わかりました。(笑)