『たくさんの愛を、ありがとう 追悼 瀬戸内寂聴展』(写真撮影◎本社・中島正晶)
 

2022年8月3日、『たくさんの愛を、ありがとう 追悼 瀬戸内寂聴展』プレス内覧会が東京・日本橋高島屋S.C.本館8階ホールにて行われ、ゲストとして女優・南果歩さんが出席し、寂聴さんとの思い出を話した。南さんは、7月26日に東京・帝国ホテルで開かれたお別れ会にも参列している。寂聴さんとは1995年に初めて会い、それ以降25年以上にわたり親交があった。

 

南さんが展覧会で一番印象に残っているのは出版された本の数で、「生涯現役、99歳。本当に恐るべき情熱の持ち主だなと思いました。これだけの作品が並ぶことで、書き続けられる創作意欲、それを最後まで変えなかったその生き方を目の当たりにし、驚愕しました」と寂聴さんへの思いを述べた。

先月26日に開かれた寂聴さんのお別れの会では、「先生は私にとって、99歳の永遠のアイドル」と話した南さん。アイドルと感じた理由について、「それは笑顔。屈託のない、曇りのない笑顔が私からアイドルという言葉が出たと思います。戦前、戦後から、平成、令和と、時代の波に乗りながら、鋭く分析し、その時代で自分が何をなすべきなのか、常に念頭に置きながら活動されていたことも、今を生きるアイドルと言える理由だと思います」と話した。

さらに、「最後に先生とお話しできたのは、昨年の5月、先生の誕生日の時でした。その際、来年のお誕生日は盛大にやりましょうと話しており、“100歳のアイドルになれるのは先生だけですよ!”とお伝えしたら、“いいわね。100歳のアイドルになってみたいわ”とおっしゃり、それが最後にお話しできた言葉でした。100歳にはなれなかったとしても、99歳のアイドル、素晴らしいなと思います」と懐かしんだ。