自分は「なんもしない」ほうがいいんだ

仕事で壁にポスターを貼る作業があったとき、「率先してやろう」と頑張って貼っていたら、僕が貼ったポスターを見た先輩が「誰だよ、こんなところに貼ったのは!」と怒っていたことも。名乗り出るのが怖くて逃げたのですが、結果、ポスターを壁からがすという無駄な作業を発生させてしまった。

「先に聞けばいいのに」と思うかもしれませんが、みんなが忙しそうにしていると声をかけられない。タイミングを計って声をかける運動神経というか、反射神経が僕にはないのです。

自分は「やってる」つもりでも、結局何もできていない、むしろ邪魔をしているという感覚が積もっていくと、自分は「なんもしない」ほうがいいんだと考えるようになる。

当時の上司が、僕を指して「あいつはいてもいなくても変わらない」と言っているのを耳にしたことがあります。組織や会社に属しているかぎりは、求められていることをやらなければいけないことは理解できる。でも、どう頑張っても期待された通りには動けなかった。

そのうちだんだん会社にいづらくなり3年で辞めて、その後、途中就職したりしながらフリーのライターをしていた時期もあるのですが、就活と同じで「自分の得意分野はこれです!」とアピールできず、うまくいきませんでした。あの時期は、「みんな、うまく社会に折り合いつけてやっていけるのはえらいな。自分はダメだな」ということをよく考えていましたね。