イラスト:小林マキ
暑さで食欲がわかず、体もだるくて疲れやすい……。毎年のこととはいえ、今年はとりわけしんどいという声が多いよう。夏バテを上手に解消する方法をアドバイスしてもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

不調の大きな原因はエネルギー不足

連日の猛暑で、体調がいまひとつと感じている人は多いのでは? 今津嘉宏先生が院長を務める芝大門いまづクリニックにも、体がだるい、疲れやすい、頭が重いなどの症状を訴えて来院する患者さんが多いそう。

「症状は典型的な夏バテですが、今年は例年にも増して重い自覚症状を訴えるケースが少なくありません」と、今津先生。

その要因として、コロナ禍の影響が大きいといいます。

「新型コロナウイルスに感染しないよう気をつけなければ、外出を控えなければ、という長期間の精神的なストレスに加え、運動不足で体力も衰えぎみ。そこに暑さが追い打ちをかけて、心も体も悲鳴をあげたといっていいでしょう」(今津先生。以下同)

夏バテを起こす最大の原因は、エネルギー不足です。

「暑さに負けないよう体温調節するために、夏場はふだんより約20%多くエネルギーが必要になるといわれています。暑さで食欲がわかないと十分なエネルギーが摂取できず、体がガス欠状態になるのです。そこで緊急的にエネルギーを供給すべく、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが使われるのですが、加齢とともに筋肉量が減るため、エネルギー不足になり夏バテを起こしやすくなるのです」