節目節目に着る着物
着物はそれからもいろんな節目節目に登場します。
黒紋付は、宝塚音楽学校の卒業式、そして宝塚歌劇団の入団式、初舞台の口上、
お正月の年賀式、退団の千秋楽などに着用します。
色着物は、すみれ売りや、式典、海外公演にも持って行きました。
宝塚の着物の着方は独特です。
まず、着物の衿は抜きません。
普通女性は着物の衿はこぶし1つ分ぐらい抜いて着ますが、宝塚では衿を抜かずに着ます。
着物の袖丈も、普通の着物より長めの袖丈になっています。
黒紋付より色着物は更に袖丈が長く、華やかな印象になります。
そして緑の袴は、一般的な袴より少し短めです。
足袋と袴から足首が少し見えるのが宝塚の着こなしです。
帯は黒い帯を文庫結びで締め、
この帯の位置も娘役は高く、男役は少し低く着付けるのがポイントです。
袴の生地が分厚いので、ずり落ちてこないように気を付けながら、
帯の結び目に袴の腰板を乗せ、腰をぐっと締め上げます。
そして袴の紐は、「乙女結び」という結び方をします。
これが「清く正しく美しい」タカラジェンヌの着物と袴の着方です。