『わたしの言葉から世界はよくなる コピーライター式ホメ出しの技術』(著:澤田智洋/宣伝会議)

心理学者であるカール・ロジャーズは、こんな言葉を残しています。

「受容、誠実さ、共感的理解が、教室などでの成長を促す人間関係における重要な条件。最も優先させなければいけないのは、聴いてもらっている、理解されている、大切にされていると相手が感じること」

相手の内面を知るために聴き出すときには、真剣に、誠実に、相手に一途になって向き合うべきなのです。そうすることで初めて、相手の思わぬ一面と巡り会えることがあります。

ちなみに傾聴姿勢は、あなたがそのときどんなレンズで相手を見ているかに左右されます。例えば「自分は相手より偉いレンズ」をかけていたり、「相手の話は面白くないに違いないレンズ」をかけていたら、情報が歪んだり、届かなかったりします。これはある意味では「耳が濁っている」状態です。

だからこそ、相手はまだ自分が知らない魅力や物語で溢れている、という前提に立てる「惚れレンズ」を装着し、情報をまっすぐに受け止めきることが大切です。そのときあなたは「耳が澄んでいる」状態なのです。耳を澄ますと、その攻めの傾聴姿勢は相手に必ず伝わります。そうすると、また一つ言葉の引き出しが開かれるのです。