魅力の第一発見者になる極意2『聴き出す』
そのとき、表面ばかり観察していても情報量に限りがあります。だからこそ、相手の内面にも発見を見出すことが必要になってきます。
その人の思想や哲学や姿勢。生き方や在り方。そうした魅力は、内面に宿っています。人を観察する時の基本軸のうちの二つ、価値観や哲学、譲れないことなどの「信念軸」、どのようなビジョンや夢を持っているのかという「未来軸」に関わるところです。
では、どうやって内側の情報を外在化させるか?聴き出すことです。「聴くことで、相手の魅力を見える形で外へと押し出す」、略して「聴き出す」です。
でも堅苦しくなく、できればリラックスした雰囲気の中で。対話というより、ちょっとした雑談をしながら、本音ベースで話をする。これを、私は「発掘雑談」と呼んでいます。
コピーを書くときにも、経営者や開発者へのヒアリングの場があるのですが、ここで勝負が決まります。コピーライターの仕事の9割は、聴き出すことなんです。私は経験上そう確信しています。
それはホメ出しも同じです。相手を観察するときに、聴きながら引き出していく。例えば、「信念軸」で観察したいときには仮説をぶつけてみる。「先輩、とにかく家族の幸せを一番大切にしている印象があるんですけど、何かきっかけはあるんですか?」。すると、「そうなんだよ。実はね……」と一歩深い話を聴き出せたりします。