「AHP」による意思決定の分析

そこでAHPでは、意思決定までのプロセスを3段階に階層化して、自分は何をどのくらい求めているのかを分析していきます(図1)。

レベル1の階層は「目的」です。つまり、あなたは何のために意思決定をするのか、ということで、この場合は「スーツを買うこと」になります。

図1:AHPによる意思決定のプロセス

レベル2の階層は「評価基準」です。つまり、あなたが選択肢を評価するときの基準のことで、この場合は「品質」や「価格」がそれにあたります。

レベル3の階層は「選択肢」です。これはもちろん、実際に目的達成のために選ぶもののことで、この場合は「価格は高いけれど品質はすぐれているスーツA」「価格は安いけれど品質はあまりよくないスーツB」の2つとします。

AHPでは、この3段階の階層を書き出したら、まず、基準に「重み」をつけて、あなたがどちらをどれだけ重視しているかを決めます。あくまで主観的な見積もりにはなりますが、重視する度合いは次のように表現されて、得点が与えられます。得点は奇数で与えるのが普通です。

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同じくらい重視する 1

やや重視する 3

かなり重視する 5

非常に重視する 7

絶対的に重視する 9

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どちらも同じくらい重視するなら1:1、価格はかなり高くても品質を重視するなら、品質に「かなり重視」の5点が与えられ品質:価格=5:1とします。合計値が1となるようにすると、品質の重み≒0.83  価格の重み≒0.17となります。