自分にイジメやハラスメントが降りかかってこようとは想像もしていなかった(写真はイメージ。写真提供:photoAC)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは東京都の50代の女性からのお便り。数年前、任用職員として採用された中学校で起こったことは――。

イジメとことなかれ主義

数年前、とある県の中学校で任用職員として採用され、パート勤務をしていた。まさか教育の現場で、自分にイジメやハラスメントが降りかかってこようとは想像もしていなかった。

古株のパート女性による新人いびりが常習化していて、新人たちはみんな気をつけていた。しかし、嫌われる理由がまったく思い当たらないまま、私への𠮟責や無視、理不尽な嫌がらせが続いた。ほかの職員や同僚は見て見ぬふりで、四面楚歌となり孤立。生徒の不登校やイジメ問題が毎日のように勃発していたから、先生方もパート職員による後輩イジメに関わっている暇などない状態だ。

そんななか、さらにショックなことが起きる。ある生徒が私を盗撮して、クラスのSNSに写真をアップしたというのだ。別の生徒からは住所を知っていると言われた。恐怖で震え、学校に報告。私には重大なことだが、学校側は問題視せず、ことなかれ主義の教頭にはスルーされた。

学校は働く人を守ってくれる場所ではなかった。一般的な労働基準法も、公務員には適用されない。ハラスメント啓発もコンプライアンスもなく愕然とした。大人がこんな状況では、生徒のトラブルもなくならないだろう。私は毎朝起きると心臓がばくばくして、仕事が憂鬱で苦痛だった。食欲もなくなった。不登校の生徒の気持ちがよくわかった。

その後退職すると動悸はしなくなり、ご飯も食べられるようになった。「自分を殺してまで行くところじゃないよね」と、不登校の生徒に言いたい。泥水をすすり冷飯を食うような、つらく実りのない日々とは決別し、いまは穏やかに過ごせている。


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