湯川れい子さんの影響力

坂上忍さん(中央)と鎧塚俊彦さん(右)

年齢を重ねていくと、自分が圧倒的に年長者という場面が大半になっていきます。特に女性のバラエティの放送作家で考えると、かれこれ20年程前から私は最年長です。根っこは今でも引っ込み思案な私ですが、当然、現場での言動は変わって来て、「姉さん」としてリーダーシップを振るうこともしばしば。

ときには苦言を呈するのですが、行き過ぎてしまうと、こちらが批判されてしまうのが今の世の中。そんなとき、自分よりも年上で、“バリキャリ”な女性が多く所属している『エンジン01~』の会合は、私にとっての心の拠り所。ホッとできたり、刺激をいただいたり、背筋が伸びたりする機会が多多あるのです。

そうした場でのリーダー的存在が湯川れい子さん。お伝えしたいことが多すぎて、何から書いていいかわかりませんが、改めて、日本の音楽業界で湯川さんがどれほど凄い方で、どれほど影響力をもっていらっしゃるのかをまずは書かせていただこうと思います。

その最近のお仕事の一つが、氷川きよしさんとの関わりです。今年いっぱいで、音楽活動を休止される氷川さんと私は、『旅の香り』(テレビ朝日系)の演者と放送作家という関係で、20年以上のお付き合いがあります。コンサートやお芝居を観に行かせていただく機会も多いのですが、そこで必ずお目にかかるのが湯川れい子さん。

湯川さんが会場に入られ、関係者席に着こうとすると、それに気づいた氷川さんのファンの皆さんの間から拍手が起こり始め、それが離れた席に座るファンの皆さんへと伝わっていき、やがて会場全体に大拍手が起こるのです。

有名人がいらっしゃって、歓声が沸き起こる場面というのは何度も見てきましたが、心からのリスペクトを込めた拍手が起こるというのは恐らく湯川さんだけ。それは、会場で声を出すことが禁止されているコロナ禍の前からのことでした。