湯川さんの驚くべき話
氷川きよしさんが湯川さんに多くのアドバイスをちょうだいしていること。食事に行くなど、かわいがっていただいていることを氷川さんのファンの皆さんはよく御存知なうえ、世代的に、湯川さんが日本の音楽業界にもたらした様々な功績を熟知し、作詞家として残された大ヒット曲と共に人生を送られてきた方たちだからこその“拍手”とも言えます。
そんな折、湯川さんから驚くべき話を聞きました。それは、氷川さんがQUEENの『ボヘミアン・ラプソディ』のカバーを歌うことになった経緯です。
2019年12月、『氷川きよし・スペシャルコンサート2019 きよしこの夜』で初披露された日本語での『ボヘミアン・ラプソディ』。あの『限界突破×サバイバー』も、まさに氷川さん自身を“限界突破”させるきっかけを作った名曲ですが、和訳の『ボヘミアン・ラプソディ』を魂こめて氷川さんが熱唱したときに感じた全身の震えは今でも覚えています。
そのとき、近くの席にいらした湯川さんがコンサート後に教えてくださったのは、これまで多くのジャンルの曲にチャレンジしてきた氷川さんに対し、「まだ、やっていないのは洋楽のカバーよね? ぜひ歌ったらいい」と持ち掛けたという話でした。
果たして、選ばれたのが『ボヘミアン・ラプソディ』。当時、QUEENは、同名の映画の大ヒットで再ブームを迎えていたときで、その着眼点の素晴らしさにまず驚かされたうえ、湯川さんが先方への交渉に先頭で尽力したという話には、「そんなことができるのは湯川さんしかいらっしゃいません!」と思わず声をあげてしまいました。
その際、「日本を代表する、本当に歌がうまいアーティスト」と氷川さんの素晴らしさをプレゼンし、「訳詞は責任をもって私がやります」と伝えたともおっしゃっていました。