人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第13回は、「統合失調症」です。
(取材・文/渡辺勝敏〈読売新聞〉 撮影=本社写真部)
この記事の目次
〈症状〉妄想や意欲低下など陽性、陰性の症状が
〈原因〉神経が過敏になり発症。体質的な側面も 〈治療〉副作用の少ない治療薬も登場 〈支援〉できたことをほめて無理をさせないこと

〈症状〉妄想や意欲低下など陽性、陰性の症状が

現実にはありえないことを事実だと思い込んでしまう「妄想」、実際にはない声が聞こえる「幻聴」。さらには、考えがまとまらない、感情や意欲が乏しくなり閉じこもりがちになるなど、人によってさまざまな症状が表れます。

具体的には「町を歩いていると、みんなが私の悪口を言っている気がする」「誰かに見られているんじゃないかと不安」「私は神だという声が聞こえる」と、表現はいろいろです。幻覚や妄想などを陽性症状、感情や意欲の低下や考えがまとまらない状態などを陰性症状と言います。

この病気は「統合失調症」と診断され、おもに20歳前後で発症します。患者の数は100人に1人と言われ、ポピュラーな精神疾患のひとつです。

統合失調症のおもな症状