家電などが再度値上げされていく可能性は高い

2022年春には食品類を中心に値上げが相次ぎましたが、家電製品の値上げは多くは10月からですから、やはり半年程度のタイムラグが存在しています。

今のところ原油価格や食糧価格の上昇が続いていますから、今後、食品類が再び値上げされる可能性は十分にあります。そのような事態となった場合、そこから半年程度の時間差を置いて、家電などが、やはり再度値上げされていく可能性は高いでしょう。

食品が再値上げとなり、その時点で買い換えが必要な家電などがある場合は、価格が上がる前に買ったほうがよいとの判断が成り立ちます。

たとえば、10万円の家電が13万円になると3万円の違いになりますが、100円、200円の商品で3万円分の節約をしようとすると、大変な労力と時間が必要となります。やはり、インフレ時代における節約は高額商品に特化すべきなのです。

※本稿は、『スタグフレーション――生活を直撃する経済危機』(祥伝社新書)の一部を再編集したものです。


スタグフレーション――生活を直撃する経済危機』(著:加谷珪一/祥伝社新書)

2022年に入り、多くの商品で値上げが続いておりインフレの様相を呈している。専門家の多くが「デフレ」を大合唱していた数年前から、現今の情勢を予測・発表してきた著者は、円安という特殊要因が加わる日本ではさらに厳しくなり、不況下のインフレ、すなわちスタグフレーションに陥る可能性がきわめて高いと言う。賃金が上がらず、物価だけが上昇する状況では、もはや単純な節約では乗り切れない。これまでとは異なる対処法が求められる。スタグフレーション時代にいかにして生活を守るか。国際経済の動きとも絡めて、説明する。