この記事の目次
〈症状〉進行しなければ症状はない 〈原因〉食事の欧米化も原因の一つに 〈治療〉早期に手術できれば治療法の選択肢がある
〈予防〉家族歴のある人は必ずPSA検査を

〈予防〉家族歴のある人は必ずPSA検査を

ご家族が50代になったら、症状の有無に関係なく、PSA検査を勧めてください。血液を採取して行う検査で、かかりつけ医でもできますし、人間ドックなどで、オプションとして加えることもできます。PSAは前立腺で作られるたんぱく質分解酵素の一つで、健康な人の血液中にも存在していますが、前立腺がん、前立腺肥大症などで数値が上昇します。

PSAの値は4~10が「グレーゾーン」で、10.1以上は「がんが強く疑われる」とされています。ただし最近では、4未満でも20%程度の人にがんが見つかることがわかったため基準値が低くなり、判断基準が厳しくなりました。ただ、現時点では担当医師の判断にゆだねられているので、私はグレーゾーンの最小値を次のように決めています。

50~59歳は「1.5~2.0」、60~64歳は「2.0~2.5」、65~69歳は「2.5~3.0」、70歳以上は「3.0~3.5」で、PSA値がここを超えると次の精密検査を行うようにしています。

また、遺伝的素因もあり、家族に前立腺がんの人が1人いるとリスクは約2 倍、2人いるとリスクは約5倍に。加えて、適度な有酸素運動をし、脂肪を摂り過ぎない栄養バランスの良い食生活を心がけ、生活習慣病を予防することが重要です。

出典:(公財)前立腺研究財団編『前立腺がん検診テキスト』
図:SPA値別の前立腺がん発見率