家族に届く報告書には、本人の写真とメッセージ、訪問時に確認した生活状況(前回、前々回との比較)のほか、担当者のコメント、近況を伝える写真などが添えられている(写真提供:日本郵便)

報告先は最大4名まで設定可能。未応答なら1時間以内に再度電話をして、2回連続でつながらないときは家族にメールが届く。未応答が続くなど普段と違ったことがあれば、「もしや倒れているのでは」と家族が駆けつけたり、近所の人に確認してもらったりなど、迅速な対応が可能ということだ。

もう一つの「みまもり訪問サービス」は、担当の郵便局員が利用者の自宅を月に1回、30分ほど訪問。利用者は生活状況を確認するための簡単な質問に答えるほか、訪問した局員との会話や脳トレのゲームを楽しんだりする。

さらに、訪問時の様子や利用者の生活状況をレポートにまとめ、当日撮影した写真を添えてメールや郵便で家族に送るという。(最大3名まで)

このように、定期的に人が訪問し、第三者がその場で感じたことを報告するという点に、サービスの大きな意味があると小川さんは語る。

「たとえば私の母親も、本当は風邪を引いているのに電話では『大丈夫、元気よ』と強がったりします。家族だと言わない、言えないことも、訪問する局員には『実は少し具合が悪くて』と本音をもらしてくださることも多い。

また局員の目から見て、『以前に比べて部屋が片付いていないようだ』とご家族に報告したことで、認知症を早期発見できたケースもありました」